World Gin MAKERS〜世界の世界の造り手さんに想いを聞く〜vol.8ニセコ蒸溜所

World Gin MAKERS〜世界の世界の造り手さんに想いを聞く〜vol.8ニセコ蒸溜所

こんにちは、Ginny Club広報のほのぽんです。

 今回の「World Gin MAKERS〜世界の造り手さんに想いを聞く〜」は、
北海道ニセコ町でohoro GINを造っていらっしゃる『ニセコ蒸溜所』に
お話を伺いました。


ニセコ蒸溜所は、2019年に設立した新しい蒸溜所。

日本酒「八海山」で知られる八海醸造のグループ会社であり、「よりよいお酒を、より多くの人に」というグループの理念を受け継いでいます。

ニセコアンヌプリの良質な水と北海道産のボタニカルを生かして造られた
ohoro GINに込められた想いとは?
北海道ニセコ町でジンを造るに至った経緯とは?

ニセコ蒸溜所の思い描く世界観や想いをたっぷりと伺いました。

◉お話を伺った方:ニセコ蒸溜所 副所長 角本さま
                                 広報 浜崎さま

 

 

豪雪地帯ニセコ町でジン造りが始まったわけ

(藤枝)
角本さま、浜崎さま、本日はよろしくお願い致します。
昨年の秋頃、たまたま大学の講義でニセコを訪れる機会があり、その時にニセコ蒸溜所ができることを知ってからずっとお話を伺いたいと思っていました。
2019年にニセコ蒸溜所設立とのことですが、どうしてニセコの土地でお酒造りをすることになったのですか?



(角本さま)
元々は、弊社社長の南雲がニセコ町のスノーリゾートを視察に訪れたことがきっかけです。
何度か訪れるうちにニセコ町が気に入り、町役場の方からお誘いを受けたこともあり、いつかニセコ町でお酒を造りたいということで設立に至りました。

北海道の中でもかなり豪雪地域であるニセコ町は水が豊富ですから、ウイスキー造りに向いているんですよね。ただ、ウイスキーの商品化には貯蔵年数を要しますので、ウイスキー発売までに何かできないか、ということでジン造りが始まりました。


(藤枝)
なるほど、確かにニセコ町は豪雪地帯で山も近いので良質な水が豊富にありそうです。

冬はかなり寒い中での作業になると思いますが、苦労されている部分や、
逆にそうした土地柄が活きていることはありますか?



(角本さま)
やはり水が良いので品質が良いジンが造れることでしょうか。
ニセコアンヌプリの良質な伏流水があるからこそ、の味わいに仕上げられていると思います。苦労している点としては、蒸溜する時の繊細さです。
例えば、300〜400リットルのジンを造る際、ボタニカルの量が10g違うだけでも最終的な味に誤差が出てしまうので、かなり気を遣いながら時間をかけて造っています。
また、蒸気の量も品質を左右するので常に注意しています。

 

(藤枝)
たった10グラムでそれだけの量のジンの品質を左右してしまうんですね。
想像以上に、かなり気を遣われているのが伝わりました。



(角本さま)
蒸溜所を建てている最中では、雪が多くまた蒸溜所へ入る道も狭いために、蒸溜器を運ぶトラックが直接入れず、小さなトラックに積み直すこともありました。
昨年は特に、雪がすごかったので。
また、冬は寒さが厳しく気温も寒い時はマイナス20℃まで下がります。
寒さには慣れないですね(笑)
ウイスキーの設備の一部が外にあり凍ることがあるため、朝一でお湯をかけて対処したりもします。

 

(藤枝)
マイナス20℃!!経験したことのない寒さです(笑)
豪雪もかなり大変ですよね、ニセコ町はスキーリゾートとして有名なくらいですから、
山間部にあるニセコ蒸溜所に車両が入って行きづらいのも想像できます。


(角本さま)
今日、会社にたどり着けるかな、なんて言っていた日も多くありましたね(笑)


▲ニセコ蒸溜所さま 内部



「飲み飽きない」スタンダードジンを目指して

(角本さま)
一番重要視しているのは、「飲み飽きない」ジンを造ることです。
クラシックで王道なジンを造ることで、何杯でも飲み飽きずに楽しんでいただけるようにこだわっています。
例えば、バーでハウスボトルとして使ってもらい、
何度でも楽しんでいただけるように考慮しています。
そうしたスタンダードな味わいを大切にしながらも、地元ニセコ町産のヤチヤナギとニホンハッカをボタニカルに使うことで、ニセコならではのジン、私たちにしか造れないジンであることを大切に考えて取り組んでいます。

(浜崎さま)
弊社とグループ会社である八海山は、“いつまでも飲み飽きせず、盃を重ねるうちにふとその美味しさに気づくような酒“づくりを志として掲げています。
“食に寄り添いながら、食の邪魔をしない“というのも弊社と八海醸造グループ全体の理念としてあり、
食中酒として幅広く楽しんでいただけるのが特徴だと思います。

そのままの味わいで十分美味しいので、個人的にはカクテルにしてしまうのが勿体無くて、
ストレートで飲むのもおすすめです。


(藤枝)
クラフトジン特有の主張が強い味わいではなく、王道でクラシカルな中にニセコ蒸溜所らしい味わいがあるんですね。

色々な飲み方でいただいてみたい、と思いました!


(池田)
私自身よくバーに伺うのですが、最近は特に多くのバーでohoro GINを見かけるようになりました!
たまたまご一緒したお客様から、一番好きなジンとして紹介してもらったこともあります。
2杯、3杯と楽しめるベースとなるジンとして浸透しているんだなあと実感しています。

ちなみに、蒸溜器はどれくらいの大きさのものを使われているのですか?


(角本さま)
大体1回で500リットルほど蒸溜できる大きさのものを使っています。
1度の蒸溜でできる量がアルコール度数47%で450リットルです。1回で720mlのボトルが700本くらい製造できます。

ある程度大きい方が品質が安定するんです。
造り方としては、漬け込みとバスケット法の両方で行っています。
1時間ごとに試飲をして、味の確認をすることもあります。繊細な作業です。

 
▲ニセコ蒸溜所さまの蒸溜器

(藤枝)
試飲の頻度も思ったより高くて驚きました。
重ね重ねにはなりますが、本当に繊細な作業なんですね。



自然と共存するニセコマインドを受け継いで


(藤枝)
ここまで、ニセコ町でジンを造る際のこだわりや苦労していることなど伺ってきました。
角本さまが、ニセコ町の土地でジンを造る上で実現したいことを教えてください。


(角本さま)
ニセコに根付いて、ニセコの特徴を活かしながら、ニセコと共に歩き、
ニセコ町とニセコ蒸溜所が共に発展できるようにしていきたいと考えています。


(藤枝)
地域との共存、ということですね。とても素敵なビジョンです!
具体的にこれまでニセコ町内の方々と協働したプロジェクトなどございますか?


(角本さま)
実は、今年の夏にニセコ高校の学生が育てたラベンダーを使った、ラベンダージンを造りました。

今ではすっかり、“ラベンダーといえば富良野“のイメージが強いと思いますが、実は日本で初めてラベンダーの大量受託栽培をしたのは、ニセコ町だったんですよね。
町の町花もラベンダーです。

そうした背景で、ニセコのラベンダーを復活させたいという高校生の取り組みを受けて、
ニセコ高校が栽培したラベンダーを使用したラベンダージンを限定品として販売しました。

 

(藤枝)
ニセコ高校の学生さんと“地域の特色を活かしたジン“を造られたんですね。お恥ずかしながら、私はニセコ町がラベンダーの国内初栽培をしていたことを知りませんでしたが、ohoro GINのラベンダージンをきっかけにこうして知ることができました。



ビギナージニーに向けて伝えたいこと

(藤枝)
最後に、Ginny Clubの読者であるビギナージニーの方に、おすすめの飲み方などあれば教えてください!

(角本さま)
ohoro GINは、自由に飲める味わいのジンになっています。
初心者の方には、色々な飲み方で試してもらいたいですね。


(浜崎さま)
“食卓のコミュニケーションを豊かにしたい“という志のもと、
弊社はお酒を造っています。
弊社のクラフトジンも、お酒そのものを楽しんでいただくだけではなく、
そこから広がるコミュニケーションのきっかけとしても
飲んでいただきたいです。

 

(藤枝)
お酒そのものを楽しむだけでなく、その場のコミュニケーションを大切にしたいという
理念に、とても感銘を受けました!

料理や飲み方を選ばないニセコ蒸溜所のohoro GIN、とてもかっこいいです。


本日は、様々な角度からお話ししてくださり誠にありがとうございました。



今回お話を伺った 角本さま
株式会社 ニセコ蒸溜所 副所長

元々は新潟でビール造りや焼酎の醸造に携わられていた。
ニセコ町で蒸溜所を開設するにあたり、ニセコに移住。
 ohoro GIN
とウイスキーの製造全般をご担当されている。


▲角本さまの作業風景

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